WANDERLUST
SYNDROME

フィリピン最大規模のイベント “シヌログ祭” に参加した話

2026.01.23

フィリピン国内でも最大規模を誇る祭典”シヌログ祭”。その人口密度は想像を絶するものがある。
正直、日本のコミケでさえ可愛く見えるほどだった。

前回の滞在先であるオスロブからセブにかけてバスで移動したのだが、想定を超えた渋滞によりホテルのチェックインが大幅に遅れてしまい、結局夕方からの参加になってしまった。

 

想像以上の人,人,人。熱に浮かされ高揚。

バスの車窓から、ぼんやりと暮れなずむ空を眺めていた。オレンジ色に染まる空の下、徐々に周囲の喧騒が大きくなっていく。花火、歓声、音楽——様々な音が混ざり合い、一つの巨大なうねりとなって押し寄せてくる。バスを降りた瞬間、私は文字通り人間の洪水に呑まれていた。

通りを行き交う人々は、絢爛な羽根の装飾品を身に着けていた。鮮やかな赤、黄、青、緑——まるで熱帯の鳥たちが人間の姿を借りて舞い踊っているかのようだった。これらの装飾は先住民の伝統、アニミズムに根ざしたものだという。キリスト教と土着信仰が融合したシヌログ祭ならではの光景に、私はこれまで以上に「異国」を強烈に感じた。

たまに通りすがりの人たちに絵の具のような塗料を顔に塗りたくられた。これも独特の風習なのだろう。
ペイントを塗られたことによって、より現地に溶け込めた気がした。
一緒にいた友人は塗りやすそうに見えたのかよく現地のキッズたちに狙われていて最終的には民族の化粧に仕上がっていた。

この祭典の期間は人が多すぎるせいなのか理由はわからないが電波が止まっており、グラブや調べ物が一切できず大変不便だった。しかたなく路上のバイタクらしき男に声をかけこの祭典をあとにした。

例にもれず帰りも渋滞だ。
いつもなら溜め息をつく場面だ。だがその日は違った。だれかが鳴らしたクラクションがほかの人に伝搬し、いつの間にやらリズムを刻んでいる。苛立ちではなく、まるで合図のように、陽気に、軽やかに。ドライバーたちの顔には笑みすら浮かんでいた。

最初は嫌いだったこの喧騒が愛おしくてたまらなくなった。

フィリピン滞在最終日、気づけば私はフィリピンの虜になっていた。

PREV フィリピンのNEW YEAR文化に浸かる